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シンメトリーと美の世界

5月下旬にオーム社から 「アートのための数学」(牟田淳著)が出版されました。
この本の14章「シンメトリーの世界」にシンメトリーとアート のつながりについて詳しく書いてみました。興味あるかたは是非読んでみてください。




皆さんは美しいゴシック建築物だとか神社などの建築物や、綺麗な花びらだとかお魚、美しい形をした富士山、 様々な美しいデザインを見たことがあると思います。

それではこのような美しい形というものは、どのようにしてつくられるのでしょうか。 ちょっと皆さん考えて見ましょう。

実は、美しい形の多くは、「シンメトリー(対称性)」という性質を持っているものがほとんどなのです。 シンメトリーには色々あるのですが、ここでは 例えばシンメトリーの例の一つとして、左右対称性といったものを取り上げます。 数学、デザインの世界ではこのシンメトリーを「鏡映対称性」と呼んでいます。

先にあげた富士山、美しいゴシック建築、神社などは「鏡映対称(左右対称)」にできています。 だから私たちはこれらを美しいと感じるのです。もしも左右がぜんぜん違ったら、私たちはあまり美しい とは感じなかったのではないでしょうか?

「鏡映対称性」に注目すると、身の回りのデザイン、美しい形にいろんなところに「鏡映対称性」 が利用されていることがわかります。

さて、このシンメトリーに着目して、沢山の芸術作品を創った芸術家として、エッシャーがいます。 彼の絵をはじめてみると、それまで見たことのなかったエッシャー独特の画風に、多くの人は驚くと思います。 僕も驚きました。彼は「鏡映対称性」だけでなく、沢山の種類のシンメトリーを使って、作品をつくりました。 エッシャーの親族に、結晶学者がいました。結晶も実は色々なシンメトリー(例えば並進対称性)を持っています。

さて、対称性を用いると、実に色々なデザインができるのですが、今回は基本的な対称性を2つほどあげておきます。

ひとつは回転対称性です。 雪の結晶は非常に美しい形をしていますが、それは1/6回転すると元に戻る回転対称性があるからです。 家紋も徳川葵とか回転対称性を取り入れています。 自然の世界では美しい花びらなどが、回転対称性の例でしょう。 他にはどんなものがあるでしょう。

もうひとつ、重要な対称性は並進対称性です。 これは、ある模様(ユニット)を一定だけずらすと、元に戻る模様のことです。 同じ模様がずっと続くわけです。 結晶とか、色々な模様とかが並進対称を持っています。

以上、シンメトリーの基本の話をしてきました。 シンメトリーというと、芸術というよりは数学、物理の話と思う人もいるかもしれませんが、 実は芸術の世界でもかなり使われているのです。 そればかりか、シンメトリーが活用されていないデザインの方が少数派ではないでしょうか?

というわけで、色々なシンメトリーがわかると、美しいデザインがつくれます。 シンメトリーについて色々調べてみましょう。